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もの忘れ外来について2


もの忘れ外来とは何か?

皆さん、こんにちは。市立病院前老年内科メモリークリニック院長の中野正剛です。前回に引き続き、『もの忘れ外来』についてお話ししたいと思います。

世間では広く『もの忘れ外来』と呼ばれている専門外来ですが、行っている診療内容は実施している医療機関によって異なっています。ここでは私が行っている『もの忘れ外来』についてお話しいたします。

もの忘れとは何か?

認知症と言えば記憶力の低下を来した状態であると考える人が多いのではないでしょうか?しかし、記憶力の低下は認知症の症状の一つであってすべての認知症で記憶力が低下するわけではありません。病気の初期では記憶力の低下は起こらない認知症もあるのです。認知症の症状の一つでしかない記憶力の低下が認知症を代表する症状として広く知られる様になった理由は、最も多い認知症が記憶力の低下を主症状とするアルツハイマー型認知症だったからです。前回お話した様に私がもの忘れ外来を始めた頃は最も多いアルツハイマー型認知症を正確に診断することが求められていました。(それ以前は血管性認知症が問題であったのですが、これについては後日お話します。)すなわちアルツハイマー型認知症を診断し、治療する専門外来が『もの忘れ外来』であったのです。

現在の『もの忘れ外来』とは

2000年代に入り認知症の研究が進み、アルツハイマー型認知症だけが認知症ではないことが広く知られる様になりました。

現在、認知症の頻度は図に示す様にアルツハイマー型認知症は約50%、レビー小体型認知症が20~25%、血管性認知症が10~15%、前頭側頭型認知症が10%未満、その他の認知症10%程度となっています。

 

こうした認知症を正確にできるだけ早期に診断し、治療やケアへ繋いで行くことが現在の『もの忘れ外来』に求められています。

次回も『もの忘れ外来』についてお話しようと思います。

#もの忘れ外来 #認知症